time -space
プロジェクターが投射するのは、炎の映像である。
暗闇の中の火=光は、自らのかたちの揺らぎ(時間の発生)によって増殖し、
有機的形態を創り出す。
その無限の多様性は、生命=火の具現化である。
生命は、誕生した瞬間から爆発的に増殖をくり返し、変化しながら崩壊する。
それは時間の生成と消滅の過程であり、そこに空間が生まれる。
時間のない空間はない。
光の中で踊るダンサー達の身体の動きは、
投影された火のパターンと同じ、生命のかたち、燃焼である。
意識の中の時間は、無限と一瞬が同時に存在し、
空間は、時間によって歪められ、重層的に意識を包み込む。

life-tree
公演の樹木に炎の光を投射するのは
意識のかたちを生命に重ね合わせ、
意識の彫刻を一瞬、街角に出現させようとする試みである。


 


山内啓司

映像